「時代のオーソドックスよりも、地味なことを積み上げる」島袋裕史の美容師道

As a professional

 

──今日はよろしくお願いします。島袋さんはなぜフリーランスになったんですか?

前のお店では店長をしていて、お店のマネジメントに頭を使うことが多かったんです。

今は1プレーヤーとして、技術に、お客様に集中できるというか、そういうのを求めていた部分はありますかね。

経験に基づいたケミカルの知識

──島袋さんはケミカルの知識がすごく豊富だと噂で聞きました…!

そうですね、ケミカルの知識は豊富です。

ただケミカルって知識って机上の空論になりやすいと僕は思っているので、実際にやってみることを大切にしています。つまり、経験に基づいたケミカルの知識というか。

──実際にやってみないとわからないって本当にそうですよね、重みが違うというか。島袋さんはクルーの方から薬剤やレシピなど質問されているところもよく見かます。

そうですね。そういうの嬉しいですし、僕が教えれることは教えていきたいです。

SNSとかネットとかもやっていないし、ハイトーンもやらないし、今の時代に合った何かではないかもしれないけれど…僕は技術や知識を伝えていけるから。

トリートメントは自作、薬剤へのこだわりも抜かりなく

──かっかっこいい…時代に沿ったなにかではなく自分の思う本質を貫くってすごいことです。

ケミカルの知識を勉強する事はもともと好きだったんですか?

好きでしたね。なにせフリーがこないお店で育ったので、知識と経験を豊富にして、髪で悩んだり困ったりしている人を紹介してもらえるようにならないとだったから。

それに前、勤めていたお店ではオリジナル商品なども僕が作っていたので、商材、薬剤にもかなり詳しくなりました。

だから今、お客様に使っているトリートメントは全て自作です。ステップ系、インバス、アウトバスも自作のものです。

──自作!?かなりこだわってますね!?

ケミカルの知識があるからこそ、かなりこだわっています。薬剤なども発展性のあるものを選んでます。

──発展性…?

はい、パーマ剤とかもメーカーが作っているものをそのまま使うよりも自分で配合して、その時のお客様にベストなものを提供したいんです。なので、混ざりっけのないものを選んでます。

──うわあ…本当にすごい…もはや仙人レベルじゃないですか…

いやいや、いかようにでもなりますよ。覚えちゃえばそんなに難しくないです。

「今日、どうしたらいい?」「考えてあるよ」

──お客様へのカウンセリングはしっかりするんですか?

いえ、秒です。

──秒!?!?

秒ですね。まず、いつも来てくださってるお客様は、来店前にカルテを見直して、前回の仕上がりを確実に超えられるようにある程度作戦を考えてます。

それに「今日はどうしたらいい?」って聞いてくるお客様に「考えてあるよ」と。

──それはお客様からの信頼の証ですね…島袋さんはカルテにもかなりこだわりありそうですね

カルテはこだわりがあるっていうか…

忘れないために書いてるわけではなくてて、前回の仕上がりを確実に超えたいから書くんです。

毎回違うことがやりたいんです、微妙な反省点を越えるために薬剤も仕上がりに関してもしっかり、細く書きます。薬剤のレシピも型にはめることはせずに、いつも完全オーダーメイド。

時代のオーソドックスよりも、地味なことを積み上げる

──SNSやネットなどを一切していない島袋さんですが、集客はご紹介のみなんですか?

そうですね、連絡先もどこにも載せていないですし、ご紹介しか方法がありません。

──SNSでの集客がオーソドックスな中、ご紹介のみってすごいですよね。

時代に逆行してるんですよね、僕…

でもSNSとかネットやらないからこそ、地味なことを積み上げて行くしかないと思ってます。

この前のイチローの引退会見の時「小さなことを積み上げて行くことでしか今の自分は超えられない」って言ってましたけど、本当にそうだと思ってます。

家で実感してくれたらいい、無駄なことは話さない

──いぶし銀だなぁ、かっこいい。お客様とはなに話してるんですか…?接客へのこだわりとかありますか?

相手には一切合わせないです(笑)

──ええ!?

うん、余計に喋ることはしない。

無理して、接客しない。技術は100パーセントで。

髪のことも話しますけど、それは必要最小限くらいに。家で実感してくれって思ってるので。

──多くを語らずに、家で実感させる…渋いです…!!!!!

口で説明すればするほど安っぽくなると思っているから、無駄なことは喋りません。そんなことはどこでもやっている訳だし。僕は日常が作りたいので。

──日常が作りたい…美容師という職業にとっての本質な気がします

美容師が仕上げた仕上げなんて、結局見本でしかなくて、家に帰って、自分でやれるかどうかが重要なんですよね。スタイリング剤もあまり使いません、シアバターをさらっとくらい。

メニューに関しても、僕は足し算のアプローチはしたくないんです。

──足し算のアプローチ?

メニューは必要最小限でやりたいんです。

以前勤めていたサロンで外部のコンサルの人が入ったことがあってその時「客単価をあげましょう、来店周期を早めましょう」って言われてたんです。

でもそれってその場しのぎの売り上げで、お客様のことを考えているわけではない。

「一生責任取るつもりでいるんで」

──確かに。お店の売り上げとか、お客様には全く関係ないですもんね。

そうなんですよ。

僕は一生責任持つつもりでいるんで、今月いくらだったとか本当にどうでもいい。

 

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